2011/04/12 ジャマイカ南岸のキングストンより


こんにちは、皆さん

長らく通信ができなくて申し訳ありませんでした。
また、この間、日本では東日本大震災というたいへんな災害に見舞われ、多数の方が亡くなわれ、また、多く方が被災されて大震災後約1ヶ月経た今も多くの方が不自由な生活と復興のためにがんばっておられることに遠くカリブ海にいても心を痛める毎日です。日本の一日でも早い復興と皆様の心が少しでも癒される日々が来ることを心から祈っています。

カリブ海を進むぽれーる

ぽれーるは、現在、カリブ海の中央付近にあるジャマイカの南岸にあるキングストン(北緯17度57分、西経76度46分)に停泊しています。

昨年12月末にフレンチ・ギアナから東カリブ海(西インド諸島の東部)のグレナダに着き、セント・ビンセント、セント・ルシア、ドミニカ、ネービス、セント・マーティン、バージン諸島を巡りました。カリブ海でもヨットクルージングのメッカと言われているウィンドワード・カリビアン、リーワード・カリビアン、バージン諸島は世界各地から来ているクルージング艇やチャーターヨットで混雑しており、大型の豪華客船が何隻も航行していました。東カリブ海には弓なりに小さな島国が連なっており、ほとんど半日のクルーズで次の国や島に到着することができました。ただ、島と島の間の海は毎日のように25kt以上の北東の風が吹いており、潮流も速く、いつも2、3mの三角波が立ってぽれーるは毎回バウを波に突っ込んでいました。また、風下に当たる島の西側は波もほとんど立たず穏やかな海域でしたが風が弱く島の山々の影響で風向がぐるぐる変わっていました。

ヤング島での出会い JICA  Harmony4と

ぽれーるはもともと観光地巡りが主目的ではないので入出国手続地を除きできるだけガイドブックが示すような有名どころの観光スポットは避け、ローカルな人々との出会いを求めてアンカリングできる場所を探しました。また、日本の青年海外協力隊の方々が活躍している国(ビンセント、ルシア、ドミニカ)を訪れ、隊員の方々との交流や現地の学校訪問等を通じて子供達と楽しい時間を過ごすことができました。

しかし、東カリブ海クルーズの後半はぽれーるのトラブルや修復(エンジン不調、ジェネレータアウト、ファーリング油圧ホース破損、ウィンドラス・ギアボックス内ベアリング固着、メインセール及びジブセール破れ、船外機の不調、電気系統不通等)のために時間が取られてしまいました。必要な部品の調達以外はアンカリングしながらすべて一人で修復しましたが、特に、ウィンドラスのギアボックス不具合はバウ艇内にあるギアボックスは重く、また、装備から約20年を経た取り付けボルト(10mm)4本は固着しており、レンチで回すとすべて六角ボルトの頭がもぎ取れてしまい取り外しだけでもたいへん苦労しました。

カリブ海を進むぽれーる

ウィンドラスを修復するまでの間、3カ所のアンカリング地を移動しましたが腕の力だけでチェーンを揚げ最後にアンカーを揚げるのにウィンチを利用しましたが毎回へとへとになってしまいました。また、ファーリング油圧ホース破損がエンジンルームにある油圧ポンプモーターから最も遠いジブ系統(約12mライン)に起こったため船底をはっている油圧ホースの取り外し取り付けにもかなりの時間をとられてしまいました。結局、ネービス、セント・マーティン及びロードタウンでは部品調達と食料品の買い出し以外には上陸することはありませんでした。約20日間でこれらの不具合は完璧ではありませんが一応解消することができました。

バージン諸島トルトラ島のロードタウンを最後に東カリブ海を離れ、一旦はドミニカ共和国とハイチの南岸の泊地を目指しましたが、ぽれーるを安全に停泊させることのできる泊地を見つけることができず、ジャマイカのキングストンまで来てしまいました。東カリブ海では毎日のようにいやになるほど見ていたヨットや客船もバージン諸島を出発して7日間のクルーズでしたが観光地から離れているせいか一隻のヨットも目にすることはありませんでした。

カリブ海のメガ・ヨット

ジャマイカは西インド諸島の西部に位置し、日本の四国の6割程度の面積とアフリカ系を中心にヨーロッパー系、中国系を含めた270万の人々が暮らしており、コーヒーの産地として有名な最高峰のブルーマウンテン山(2256m)を含めた山々が連なる山がちで東西に細長いイギリス連邦の国です。また、ジャマイカはレゲイ音楽の発祥地としても有名です。キングストンはジャマイカの首都で約54万人が暮らす都会です。ぽれーるはキングストン港にあるロイヤル・ジャマイカ・ヨットクラブ(RJYC)でお世話になっていますが、海外から来たヨットは久し振りということでたいへん歓迎されています。また、JICA事務所も市内にあり早々事務所を訪れ挨拶し、週末に行われた新しく赴任された隊員の方の歓迎会にも特別に出席させていただきました。そして、その翌日には市内にある盲学校のチャリティーイベントにも参加させていただきました。

ぽれーるの当初の航海計画ではカリブ海を経て、アメリカ東海岸を北上し、カナダのハリファックスからヨーロッパー、地中海を目指す予定でしたが、今回は私の個人的な都合等によりパナマ運河を経て南太平洋に向かうことにしました。日本で支援していただいてる皆様の中にはヨーロッパー、地中海方面へのクルージングに期待されていた方も多いかも知れない中、これらの方々の期待に応じられなくなってしまったことをたいへん申し訳なく思っています。

4月12日 ジャマイカ、キングストンにて

 World Cruising Yacht "Polaire"
   ぽれーる 関

 

東カリブ海クルージングのアルバム (写真をクリックすると拡大します)
Nice Meeting St LUCIA

Nice Meeting
St LUCIA
Tobago Caysガイドブックより

Tobago Cays
ガイドブックより
カリブ海で出会ったフランスのシングルハンダー達と

カリブ海で出会った
フランスのシングル
ハンダー達と
カリブ海のメガ・ヨット

カリブ海のメガ・ヨット
カリブ海を行く帆船(オランダのStad Amusterdom)

カリブ海を行く帆船
オランダの
(Stad Amusterdom)
カリブ海を進むぽれーる

カリブ海を進むぽれーる
キングスタウンの市内にあるセントマリーカソリック学校で授業

キングスタウンの市内にあるセントマリーカソリック学校で授業
ジャマイカのJICAの皆さんと

ジャマイカのJICAの
皆さんと
セントマリーカソリック学校の子供達と

セントマリーカソリック
学校の子供達と
ドミニカのJICAの皆さんと川辺のバーベキュー

ドミニカのJICAの
皆さんと川辺のバーベキュー
ドミニカの首都ロゾー

ドミニカの首都ロゾー
ヤング島での出会い JICA  Harmony4と

ヤング島での出会い
JICA Harmony4と
ヤング島沖合に停泊中のぽれーる

ヤング島沖合に停泊中のぽれーる
ロイヤル・ ジャマイカ・ヨットクラブのメンバーの方と夕食

ロイヤル・ ジャマイカ・ヨットクラブのメンバーの方と夕食
映画「ドリトル先生の不思議な旅」の撮影現場(セントルシア、マリゴット湾)に停泊中のぽれーる(左から3番目)

映画「ドリトル先生の不思議な旅」の撮影現場(セントルシア、マリゴット湾)に停泊中のぽれーる(左から3番目)
映画「パイレーツ オブ カラビアン」

映画「パイレーツ オブ カラビアン」
教会の中にあるセントマリーカソリック学校

教会の中にある
セントマリーカソリック
学校
2011年 東カリブ海クルージング

2011年 東カリブ海
クルージング